- 投稿日
- 2019年8月06日 (最終更新:2019年8月7日)
- カテゴリ
- 症例報告
こんにちは。
小波津スポーツメディカルラボ 松屋町本院です。
今回は、肘の痛みで
「離断性骨軟骨炎(りだんせいこつなんこつえん)」と
診断された小学6年生の症例です。
<大阪府在住 K.T君 小学6年生 野球>
の12月10日
「離断性骨軟骨炎です。」
「全力で投げられるようになるまでに半年はかかるでしょう。」
と病院で診断されました。
T君は小学4年生の時に肘の痛みを感じだし、約2年間症状を抱えていました。
痛かったり、痛くなかったりと波はありますが、
試合後は必ずと言っていいほど強い痛みで苦しんでいたそうです。
マッサージや電気などの治療を受けますが、
あまり痛みは改善されず、、、
そこで、病院で診察を受けたところ、
「離断性骨軟骨炎」の診断を受けました。
しかも他の病院では、手術を勧められたようです
それでも、なんとか最後の大会に出場したい!
という思いで、知人の紹介で
診断を受けた3日後の12月13日に当院に来院されました。
初診時の肘の状態は
健側と比べると明らかに、曲がりきらず、伸びきらない。
(肘を曲げると、肩から2センチ程離れている状態)
曲げるにも伸ばすにも痛みが伴う。
そして、
シャドーピッチングでも痛みが出る状態でした
・これだけ痛みが出る状態で
・「投げられるまでに半年かかる」と診断されている
・試合までは1ヶ月しかない
この条件だと
「試合に出るのは無理だろう。」
と考えられるのが一般的だと思います。
ですが、過去の症例からみても
この状態ならしっかり施術していけば充分可能性はある
と伝えて施術を開始しました。
2回の施術で、
肘の可動域が広がり、
それに伴う痛みも改善し、
シャドーピッチングが
痛みなく出来るまでに改善しました。
そこから、ネットに向かってボールを投げ始め、
徐々に強度を上げていき、6回の施術で全力で投げられるまでになりました。
その結果、目標にしていた小学生最後の大会に
ピッチャーとしてもキャッチャーとしても出場することができ、
施術とフォームチェックによって
投げ方のクセが改善したT君は、
来院前よりスピードのあるボールが投げられるようにもなり、
親御さんも大変驚いておられました。
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軟骨に亀裂や変性が生じる、
「離断性骨軟骨炎」
、、、軟骨に亀裂や変形が生じるって
ものすごく痛そうですよね((+_+))
ところが!
実は肘の痛みの原因は
亀裂や変性が生じた「軟骨」であったかというと、
そうではない可能性が高いのです!
なぜなら「軟骨」には痛みを感じる為に必要な
「神経」が無いので、
軟骨に亀裂があろうと、変性しようと
軟骨自体が痛みを出すことは無いからです。
では、T君を苦しめた肘の痛みの原因は何だったのか?
T君は当初、痛みをかばって、筋肉に負担がかかり過ぎる投げ方になってしまっていました。
過度に負担がかかっている筋肉は、神経からの命令伝達がスムーズに行われないため、
正常に働くことができなくなります。
筋肉が正常に働けない状態で、同じように負担をかけていると、
「このまま負担がかかってしまうと危険だ!」
と判断し、「痛み」として筋肉の危険を知らせます。
この筋肉の防御反応がT君の痛みの原因であったと考えられます。
そこで、まず神経からの命令伝達をスムーズにし、
筋肉を働ける状態に戻す施術をおこないます
だいたいのケースであれば、1回で痛みと可動域はほとんど改善されます。
痛みが出なくなれば、次のステップに入ります。
野球肘の場合はここからも重要になってきます。
T君が今まで我慢して投げていた時の
体のクセを、施術とフォームチェックで改善していきます。
すべて大事ですが、ここが、一番のポイントですね。
野球肘、離断性骨軟骨炎、 剥離骨折、と診断される症状のほとんどは、
投げ方が自分の思うようにいかなくなり(自分では気づかないうちに)、
フォームが崩れて発症するケースが多いです。
ですから根本を良くしないと再発しちゃいますよね。
次のステップとしては、
実際にボールを投げていっての痛みがどうなるのかをみていきます。
段階をおって強度を上げていき、施術とフォームチェックをしながら元の状態まで戻していきます。特に長い期間痛みを我慢して投げている場合などは、
怖さのせいでシャドーより実際に投げるほうが
フォームのバランスを崩しやすいので、
その点をしっかり本人に理解をしてもらい
確認しながら投げていってもらいます。
T君の場合は2週間かけてここまでおこない、
その後ピッチングを始めてもらいました。
かなり寒い時期なので条件的には厳しかったですが、試合に間に合う事ができ、大変よろこんでいただきました。
中学校でも野球をしたいということで、今も予防とパフォーマンスアップの為に
定期的に来院していただいています。
P.S.
「投げられるまでに半年はかかる」
と病院で診断されていただけに、すごく不安だったと思います。
でも、あきらめることなく「なんとか良くなって大会に出場したい!」という強い思いで通院してくれたので、1ヶ月という限られた期間での症状改善を可能にしたのだと思います。
これからも何か気になる事があればすぐにご相談ください(^_^)